に幕を閉じ、会場を出ていく聴衆の顔は、先程までの興奮がなかなか冷めきれないといった表情でした。
音楽クリニックについて
演奏会の翌日、クリニックを受講したのは長崎県立壱岐高等学校の吹奏学部の生徒66人でした。服部先生をはじめ一流のプロミュージシャンの指導を受ける機会は、もう一生かかってもないということで、高校をあげて協力していただきました。指導曲は『バレエ音楽「ガイーヌ」より「剣の舞」』。12月の定期演奏会で披露するということで選曲しました。
クリニックの開会式では、まず、服部先生から、
「そばで指導してくれるプロの音がどんな音なのか体で感じ体の中にたたき込んで帰ってほしい。」
と、アドバイスを受けました。その直後、生徒たちは全員で「剣の舞」を演奏しましたが、リラックスして……といわれる服部先生の言葉とは裏腹に、生徒たちは固くなり音も上擦っているように感じられました。
各パートに分かれてのクリニックでは、生徒たちは日頃悩んでいた疑問を講師の先生方にぶつけたり、今まで気づかなかった楽器の構え方・息の吹き込み方など基本的なことについても細かく丁寧に指導を受けたりしました。クリニックの後には、講師の先生方と生徒たちが合同で指導曲を演奏し、クリニックの成果が発表されました。
閉会の折、講師を代表してフルートの高桑先生や服部先生から、
「今日の2時間の練習で急にレベルがアップするというものではない。毎日の練習の積み重ねが大切である。何か一つでもいいから今日のプロの演奏と自分との違いをつかみ、ずうっと頭の中に持ち続けてほしい。」
「他の人の音を聞きながら演奏することは最初のうちはなかなかできないが、基本に忠実に練習を続けていると次第にできるようになってくる。そうするとゆとりもでき、あがることも少なくなってくる。今後も、音楽を自分の友だちとして末永く楽しんでほしい。」
と、アドバイスを受けました。最高の音を間近で聴き、最高の指導を直接受けたことにより、生徒たちは、日頃の練習の際の意識を大きく変えたことでしょう。また中には、今回のクリニックがその子の人生を大きく左右する契機となった生徒もいるかもしれません。宝くじサウンドスペシャルによって、我が国最高のポップスオーケストラの演奏会を開き、地元の高校生に対して一流のプロからクリニックを実施していただけたことは、本町の「文化元年」としては過分ともいえ、本事業を開催することができて本当に良かったと思います。
最後になりましたが、本事業を開催するにあたり、特段のご配慮・ご支援をいただきました財団法人自治総合センターはじめ関係者の皆様方に対し、心から感謝申し上げます。

前ページ 目次へ 次ページ